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2009 年度 実績報告書

細胞膜特殊構造の新しい役割-心筋保護作用に与える影響とそのメカニズムの解明-

研究課題

研究課題/領域番号 21689042
研究機関徳島大学

研究代表者

堤 保夫  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)

キーワード心筋 / 虚血再潅流障害
研究概要

マウスに虚血-再還流(30分-2時間)in vivo実験を行い、心筋梗塞サイズを測定した。ポストコンディショニング刺激(短期低酸素、オピオイド、吸入麻酔薬)を加えた場合、心筋梗塞サイズは対照群と比較して有意に減少し、ポストコンディショニングによる心筋保護作用が明らかとなった。同様に、遊離心室筋細胞を用いた低酸素in vitro実験においてもポストコンディショニング作用によって心室筋細胞の生存率が上昇した。
また、コレステロール枯渇剤を前投与してカベオラの崩壊をもたらした場合、これらの保護作用が棄却された。さらに、ポストコンディショニング刺激後、組織固定を行い電子顕微鏡を用い細胞膜表面を観察すると、単位表面積あたりの細胞膜特殊構造であるカベオラの数は、対照群と比較してポストコンディショニング群において有意に増加していた。これらの結果からポストコンディショニングによる心筋保護作用にカベオラが関与することが明らかとなった。
オピオイドにおいては、モルヒネのみならずデルタ受容体選択的薬物においてもこの作用が引き起こされることを突き止め、オピオイド・ポストコンディショニングにおける心筋保護作用にデルタ受容体が重要な役割を演じていることが明らかになった。
次に、カベオラの構成タンパクであるカベオリンの活性をイムノブロッティング法にて測定した。その結果、各々のポストコンディショニング刺激によって、カベオリン-3が活性化されることが判明し、心筋保護作用にカベオリン-3を介した経路が重要であることが推測された。
さらに現在は、カベオリン-3をノックダウンさせた細胞においてポストコンディショニング作用がどのように変化するかを調査中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Role of Caveolin-3 and Caveolae in Isoflurane-Induced Delayed Cardiac Protection.2009

    • 著者名/発表者名
      瓦口至孝
    • 学会等名
      umerican Society of Anesthesiologists mnual Meeting
    • 発表場所
      ニューオリンズ・コンベンションセンター(ルイジアナ)
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] オピオイドプレコンディショニングの細胞膜ドメインに及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      堤保夫
    • 学会等名
      第56回日本麻酔科学会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      2009-08-16
  • [学会発表] Opioid-induced preconditioning is dependent on caveolin-3 expression.2009

    • 著者名/発表者名
      堤保夫
    • 学会等名
      Experimental Biology Annual Meeting
    • 発表場所
      ニューオリンズ・コンベンションセンター(ルイジアナ)
    • 年月日
      2009-04-21
  • [学会発表] Cardiac myocyte-specific caveolin-3 overexpression modulates ANP produ ction and attenuates cardiac hypertrophy in vivo.2009

    • 著者名/発表者名
      堀川洋介
    • 学会等名
      Experimental Biology Annual Meeting
    • 発表場所
      ニューオリンズ・コンベンションセンター(ルイジアナ)
    • 年月日
      2009-04-19
  • [図書] 徹底ガイド 心臓麻酔 Q&A2009

    • 著者名/発表者名
      田中克哉、堤保夫、大下修造
    • 総ページ数
      901-910
    • 出版者
      総合医学社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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