研究課題/領域番号 |
21689042
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
堤 保夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
|
キーワード | 心筋 / 虚血再灌流障害 / カベオラ / カベオリン / ポストコンディショニング |
研究概要 |
マウスに麻酔をかけ人工呼吸下に開胸、心臓の冠動脈を一時的に遮断することで30分の虚血および2時間の再灌流を行った。再灌流終了後に染色、心臓を取り出し、顕微鏡下に心筋梗塞サイズを測定した。再灌流期に短期虚血を行うことによってポストコンディショニング刺激を加えた場合、心筋梗塞サイズは対照群と比較して有意に減少し、ポストコンディショニングによる心筋保護作用が明らかとなった。また、再灌流期にオピオイドを与えた場合、吸入麻酔薬であるイソフルランを与えた場合においても心筋梗塞サイズが減少し、短期虚血を行ったポストコンディショニングと同様の作用を得ることができることからこれらの薬品においてもポストコンディショング作用が存在することが明らかになった。 さらに、カベオリン-3をノックアウトしたマウスを用いて同様の虚血再灌流実験を行いカベオリン-3のポストコンディショニング作用に及ぼす影響を検討した。短期虚血、オピオイド、吸入麻酔薬によって誘起された心筋保護作用はいずれの場合もカベオリン-3ノックアウトマウスにおいては観察されず、ポストコンディショニング効果が棄却されることが明らかになった。このことより、心筋保護作用にカベオリン-3を介した経路が重要であることが推測された。 さらに現在は、カベオラに局在するトリガー、メディエイター、エンドエフェクターについてポストコンディショニング作用がどのように変化するかを調査中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H21年度から3年間、研究目的に記載された内容を滞りなく遂行できているため、おおむね順調に進展しているものと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
申請者が立てた仮説に矛盾点が見られず、H21年度から3年間、研究目的に記載された内容を滞りなく遂行できている。
|