研究概要 |
1. 不妊モデルマウス精巣へのAd4BPISF-1およびDAX-1遺伝子導入(in vivo遺伝子導入):これまでの研究成果を発展させ、アデノウイルスベクターを用いた、Ad4BP/SF-1およびDAX-1の遺伝子導入を行った。アデノウイルスにラット由来の2遺伝子のプラスミドを組み込んで行った。精巣網および精細管から遺伝子導入を行う精細管遺伝子導入法と、精巣白膜上から精巣に直接注入する精巣直接遺伝子導入法により、上記遺伝子を精巣内に遺伝子導入した。不妊モデルマウスとして、ブズルファン投与マウスを用いた。遺伝子導入したのち、RT-PCRおよびwestern blotting法により、上記遺伝子の発現を確認した。ラットに特異的な上記遺伝子のプライマーを作成し、定量RT-PCRによって、ラット由来の上記遺伝子の増加を確認した。さらに、免疫組織化学染色法により、上記遺伝子の発現の局在を検討したところ、精細管遺伝子導入法ではセルトリ細胞に、精巣直接遺伝子導入法にではライディッヒ細胞に、その遺伝子の発現を確認した。造精機能への影響に関しては、精細管の荒廃が非常に強かったためと、投与後の感染が強かったため、造精機能の回復が明らかに認めなかった。より慎重な条件の設定が必要と考えられた。血中のFSH, LH,テストステロン濃度については変化を認めなった。 2. マトリクスゲルを用いた精巣の三次元培養: GFP発現トランジェニックマウスの新生児期マウスより精巣を摘出し、マトリゲルを用いてin vitroで精細管の再構築を行った。これらをゲルから細胞塊を採取し正常のマウスに移植。精巣内でGFP由来の細胞の精細管が再構築されることを確認した。
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