研究課題
再生核ヒルベルト空間に係る関数推定という主題に関連し、以下のことを明らかにした。1.所与の再生核に対応する再生核ヒルベルト空間に属する任意の関数が、所与の標本点の情報から完全再構成されるために、当該再生核と標本点が満たすべき必要十分条件を解明した。また、完全再構成が不可能である場合について、真の関数と推定関数の、任意の定義域の点における絶対差の上限を理論的に解明した。2.標本値に雑音が存在する場合の推定精度について解析し、標本点が多いことが必ずしも推定精度の向上につながらないことを理論的に解明した。3.不変な計量を有し、かつ、階層構造をなす再生核ヒルベルト空間に対応する再生核の族の性質について理論的に解析し、当該不変計量という性質が、階層をなす空間の直交性、及び、排反性と同値であることを解明した。本研究課題の解析に有用と考えられる、線形系に関する以下のような知見を得た。1.ある種の対称行列の族がある固定したユニタリー行列で対角化できるための必要十分条件を解明し、その応用として、信号及び雑音の相関行列を精度良く推定し、より高精度に未知信号を推定する手法を与えた。2.必ずしも非負定値でない対称行列の線形結合によって非負定値行列を得るための十分条件を明らかにし、当該行列の同時対角化を高精度で実現する手法を与えた。また、その応用として、雑音環境下での二次統計量に基づくブラインド信号分離問題に対して新たな枠組みを与えた。
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電子情報通信学会技術研究報告, パターン認識・メディア理解 109, 344
ページ: 29-34
ページ: 61-64
IEEE Transactions on Signal Processing ((印刷中))