研究概要 |
単射性を持つ関数プログラムの逆計算プログラム生成コンパイラの開発およびウェブを介したサービス提供に向けて,本年度は以下の成果を得た. ●末尾再帰型の関数の逆計算プログラム生成法を提案し,末尾再帰型であるすべてのベンチマークで停止性および決定性を持つ逆計算プログラムの生成に成功した.なお,この結果は国際会議に採択され次年度に発表予定である.さらに,提案手法を実装し,ダウンロード用の実装を試験的に公開した.末尾再帰である定義と末尾再帰でない再帰定義の両方を含む関数定義を末尾再帰型に変換する方法を提案し,そのような定義を持つすべてのベンチマークで停止性と決定性を持つ逆計算プログラムを生成できることを確認した. ●逆計算プログラム生成コンパイラの中間結果である条件付き項書換え系の規則の適用に構文的な重複がある場合に,どちらの規則を適用するべきかを条件部分の評価の可能性を構文的に解析することで実質的な規則間の重複が存在しないことを保証する概念を定式化し,すべてのベンチマークがこの十分条件を満たしていることを確認した.なお,この結果は前述の論文に含まれている. 本年度の取り組みにより,逆計算プログラム生成コンパイラのアルゴリズムの基盤が完成した.
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