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2009 年度 実績報告書

実装容易性を考慮した量子情報処理

研究課題

研究課題/領域番号 21700016
研究機関山形大学

研究代表者

中西 正樹  山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (40324967)

キーワード量子計算 / 量子暗号 / 量子回路 / 量子計算モデル / 量子アルゴリズム
研究概要

以下に述べる4つのテーマを中心に研究を行った.
1.量子分散計算に関する研究として,複数の量子計算機が量子ネットワークで接続されている状況を考え,特定の関数を計算する際に必要な通信量を評価した.結果として,必要となる通信量の上下限を示し,量子計算の優位性を示した.
2.分散計算環境向けの量子計算機シミュレータの開発を行った.分散計算環境下では通信時のオーバーヘッドがボトルネックとなるため,通信量を削減することで高速化を行うことができる.本研究では,処理すべきデータのノードに対する割り当てを工夫することにより,通信量を削減する手法を提案した,また,様々な例について通信量の見積もりを行い,提案手法の有効性を確認した.さらに,シミュレーション環境の枠組みを開発し,様々な計算機環境や計算手法を組み合わせてシミュレーションを行うことを可能にした.また,この枠組みではシミュレーションの手順を最適化し,高速なシミュレーションを可能にしている.
3.量子計算モデルとして量子プッシュダウンオートマトンに着目し,その能力の解析を行った.結果として,量子モデルが古典モデルよりも能力が低くなる場合があることを示した.一般的には量子計算モデルは古典計算モデルよりも能力が高いと考えられているが,本結果は特定の状況下で量子計算の能力が弱くなるということを示しているという意味で重要である.
4.線上の量子ウォークの解析を行い,結果としてclosed formで量子ウォークの振る舞いを記述した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] On the Weakness of One-Way Quantum Pushdown Automata2010

    • 著者名/発表者名
      M.Nakanishi
    • 雑誌名

      Proc. of the 4th International Conference on Quantum, Nano and Micro Technologies(ICQNM2010)

      ページ: 83-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 量子計算の並列シミュレーションにおける通信量削減手法2010

    • 著者名/発表者名
      柴田章博, ほか
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌D vol.J93-D, no.3

      ページ: 253-264

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of Quantum Circuits for d-Level Systems by using Cosine-Sine Decomposition2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakajima, ほか
    • 雑誌名

      Quantum Information & Computation vol.9, no.5&6

      ページ: 423-443

    • 査読あり
  • [学会発表] Discrete Quantum Walks on the Line with Phase Parameters2009

    • 著者名/発表者名
      M.Villagra, ほか
    • 学会等名
      International Conference on Quantum Information and Technology
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] Quantum Communication Protocols with Public Coins2009

    • 著者名/発表者名
      S.Tani, ほか
    • 学会等名
      情報処理学会アルゴリズム研究会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      2009-09-15
  • [学会発表] An efficient middle-level framework for quantum circuit simulation on multiple simulator platforms2009

    • 著者名/発表者名
      A.Vikman, ほか
    • 学会等名
      2009年並列/分散/協調処理に関する『仙台』サマー・ワークショップ(SWoPP仙台2009)
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-08-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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