研究概要 |
当該年度は,開発中のライブラリをGPUおよびCell/B.E.に対応させることを主たる目標として研究を行った。従来はその使用に特殊な知識を必要としたGPUおよびCell/B.E.におけるプログラムを,統一的な記法により記述することを可能にし,GPU向けにはCUDAコードを,またCell/B.E.向けにはDMA転送等を行うコードを自動的に生成・挿入することで,ユーザが意識することなく,GPUおよびCell/B.E.による高速化を教授できる枠組みを実現した。評価の結果,CUDA/GPUを使用した場合では従来のRaVioliプログラムの最大約164倍,Cell/B.E.を使用した場合ではPPE単体による実行の最大約5倍の速度向上が,ユーザによるプログラム書き換えなしで得られることを確認した。この成果は,国際会議論文1件,国内研究報告1件にまとめた。 またもう一つの研究主題として,働画フレーム内のそれぞれの領域において自動的に処理量を調整することで,フレームレートおよび処理対象領域の画素精度の両方を維持する方式を提案・実装した。具体的には,フレーム間で変化のないようなフレーム内領域は高い処理精度を必要としないと考え,それらを自動的に検出して当該領域の処理精度を低下させることで,本当に処理が必要である領域の処理精度を高く保つ方式を,開発中のライブラリに実装した。この成果は国内研究報告1件にまとめた。
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