研究概要 |
平成21年度は,主に以下の(1)(2)に従って研究を進めた. (1) ユビキタスサービスにおける安全性の定式化 様々なサービスの実用例を分析し,ユビキタスサービスにおける安全性の定式化を行った.ユビキタスサービスの特性である「モノ同士の連携」および「環境への影響」を考慮した.その結果,サービスの安全性を以下の3種類で定義することができた. ローカル安全性:モノそれぞれに閉じた安全性.モノを単体で安全に使用するための性質. グローバル安全性:複数のモノにまたがる安全性.複数のモノを連携したサービスを安全に使用するための性質. 環境安全性:サービスが提供される環境で守らなければならない安全性.モノやサービスの内容に依存しない. (2) ユビキタスサービスにおけるサービス競合検出・解消法の考察 複数のユビキタスサービス間の競合問題を定式化し,サービス競合を検出・解消するための理論の考察を行った.その結果,以下の2種類のサービス競合が重要であることがわかった. 機器競合:ユビキタスネットワーク上の同一の機器(資源)上で発生する直接的な競合 環境競合:ユビキタスネットワーク上の環境を解して発生する間接的な競合 予備実験として,提案法をホームネットワークシステムにおける連携サービスに適用して評価を行い,有効性の確認を行った. 以上の結果および関連する成果を,論文誌4編,国際会議論文3編,研究会論文19編にまとめて発表した.
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