研究概要 |
(1)サービス連鎖の安全性評価手法とサービス競合検出手法の提案 ユビキタスサービスは,センサで計測される様々な環境状態をトリガとして実行される.したがって,サービスSaが実行された結果,別のサービスSbの実行条件に影響を与え,2つのサービスが立続けに実行されるサービス連鎖(Sa⇒Sbと書く)いう現象が生じる.サービス連鎖はサービスの安全性を阻害する可能性があるが,すべてのサービス連鎖が有害であるとは限らない. そこで本年度は,検出されたサービス連鎖の深刻度を評価する手法を提案し,サービス連鎖によって安全性に影響を与えるサービス競合が発生するかどうかを,検出する手法を開発・実装した.具体的には,あるサービスSaが単独で実行された(期待された)状態Taと,サービス連鎖Sa⇒Sbが起こってしまった(実際の)状態Tbを比較し,両状態の乖離度を求める.TaとTbの乖離度がある一定の閾値を超えた場合に,有害なSa⇒Sbサービス競合を生ずると判定する. (2)サービス連鎖・競合の検出・監視システムの開発と実験的評価 開発した手法を,スマートハウス向けユビキタスサービスに適用し,サービス連鎖およびサービス競合をオフラインで検出するシステムを試作した.また,我々の研究グループで開発しているスマートハウスに実装し,連鎖・競合をオンラインで監視するシステムを試作している.6つの実サービスでの競合検出実験では,11個のサービス連鎖および6個のサービス競合を検出できた. 以上の成果および関連成果を,論文誌1編,国際会議論文4編,研究会論文2編に発表した.
|