研究概要 |
近接作用の原理に基づく自律分散制御の枠組みに基づき,有限な空間的広がりを持った構造を生み出すような新しいタイプの自律分散制御の構成方法を検討した.まず一次元の単純なネットワークを対象にし,有限サイズの空間的構造を生み出すために拡散現象のくりこみ変換を用いる自律分散制御を導入する.また,逆拡散によるドリフト項の自律的決定法を導入し,座標系の導入を回避した制御法を構成した.更に,この方法を一般的なネットワークトポロジに適用するために,まずn次元Euclid空間への拡張を行い,局所動作規則を多次元に拡張する共に離散化を考えることで,一般のネットワークに適用可能な制御規則の考察を行った.その結果,ネットワーク上でのノードの動作規則は,当該ノードと隣接ノードの状態のみで決定されることができ,自律分散的な局所動作規則を与えることができることがわかった.応用例として,一次元および二次元格子ネットワークで自律クラスタリング機構の実現可能性を確認した.提案する技術は、上記で述べたようにノードの自律分散的動作で実現する技術であり、モバイルアドホックネットワークやセンサネットワークにおけるトラヒック制御技術,ネットワークリソース管理技術の効率的な利用に繋がるものである。
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