研究課題
本研究課題では、利用者が日常生活を送る環境内に、実際に加速度センサやデータロガー、大量のRFIDタグと無線式RFIDリーダを埋め込んだ「大量空間センサ環境」を構築し、データを時空間データベースに格納する。このとき重要なテーマは、大量のデータを扱いつつもそのことを利用者に意識させない「人にやさしい」ことを最大目標としたセンサデータベースを構築にある。その実現のために、平成21年度は次のサブテーマに取り組んだ。1.環境とDBの構築:RFIDタグを大量に環境内に埋め込み、利用者の行動ログを共有する概念共有環境CONSENTのプロトタイプを構築した。また、RFIDタグの位置座標をデータベースに登録する初期データ登録の手間を削減する方法を発展させ、あいまいな検索手法に適用可能であることを示した。2.意図取得:利用者がRFIDリーダと加速度センサをつけて日常行動を送った際に得られたセンサデータから、利用者の行動意図を推定・抽出する手法の一部を実現した。3.電力最適化:多数のセンサを同時に利用する環境で、余計な電力を消費させない「環境にもやさしい」手法を導入し、運用によってその効果を評価した。4.環境情報化:RFIDタグの記憶領域をキャッシュとして活用し、データベースに問い合わせを局所的に解決できる新しい手法の設計と評価の一部を行った。また、移動エージェントによる実空間状況獲得手法を実装し、評価した。5.オントロジ構築:日常生活支援などの「人にやさしい」アプリケーションのために、実際の運用環境に適したドメインオントロジを構築し、2.と4.のための情報統合を行なった。その手段として、行動解析を後から実施して意味情報を編集できるフレームワークを提案した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
電子情報通信学会技術研究報告
巻: Vol.110, No.107 ページ: 27-32
日本データベース学会論文誌
巻: Vol.8, No.1 ページ: 41-46
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