研究概要 |
本研究ではリアルタイム物理シミュレーションと拡張現実感インタフェースによるインタラクション技術を確立することを目的とし,その最初のシステムとして,髪シミュレーションモデルを用いた3次元ヘアスタイリングシステムを開発する.また,リアルタイム流体シミュレーションシステムなども組み合わせることでさらなる可能性を追求する.開発システムは提示するグラフィックスの動作を計算する物理シミュレーション部分とそれをコンピュータグラフィックスで描画する3DAPI部分,そして,ユーザーへ情報を提示し,その入力を物理シミュレーション部分に渡す拡張現実感インタフェースで構成される. 本年は昨年度に開発した髪の挙動シミュレーションシステムをさらに改良し,Super-Helicesと呼ばれる計算モデルを導入することにより,カールヘアなどを含んだよりリアルな動きを追求するとともに,GPUなどによる並列計算に適したアルゴリズムを開発した.また,高速な乱流計算アルゴリズムとサブパーティクルを用いた細かな渦表現手法を提案,現実的な振る舞いを表現可能で高速な流体シミュレータを開発し,実験によりその効果を確認した.当初予定していた拡張インタフェースとの統合はまだなされていないが,これら開発したシミュレータを組み合わせることで可能になると考えられる.また,これらの研究成果は国内外の学会で発表している.
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