研究概要 |
体験した風景に対する印象を静止画像や動画像として記録・再生する画像処理・生成技術の開発を目的とする.本研究で対象とする風景の印象は「大きさ感」と「距離感」である.これを可能とするため,平成22年度は以下の3テーマの研究を計画した.それぞれの成果について述べる. テーマ1:「大きさ感」「距離感」において適切な「消失点」の位置モデルの定式化 消失点の位置に議論においては,透視投影図における角度知覚が問題となるため,透視投影図における角度錯視に関する実験をおこなった.その結果,透視投影図に描かれた鈍角に対する極端な過小視の存在が確認された.また,透視投影図における奥行手掛かりと鈍角の提示位置によって過小視が異なることが確認された.ただし,時間的な都合上,「消失点」の位置モデルの定式化までは至っていない. テーマ2:動画像に適用する場合のモデル式の変更 車載カメラのシチュエーションを想定して,カメラが前方へ移動している動画像に対して角度錯視に関する実験をおこなった.その結果,道路の画像の角度錯視において,静止画であるよりも錯視量が強調されることが確認された.ただし,時間的な都合上,「消失点」の位置モデルを構築するまでは至っていない. 3.テーマ3:提案モデル式に従った画像処理・生成技術の開発 一台のカメラによるリアルタイム画像処理が可能なシステムを構築することができた.これにより,リアルタイムな画像取得と画像処理,そして画像生成が可能となった.しかし,時間的な都合上,予定していた2台のカメラによるシステムの構築には至らなかった.
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