研究概要 |
研究では,本年度,歴史・文化に関する人文社会科学分野のマルチメディアデータ群を対象として,データ間の意味的・時空間的関連性を動的に計量・分析し,その分析結果を時間軸を伴った三次元地図(4D世界地図)上に可視化する情報分析システムを実現するため,以下の機能を設計,実現した.(1)利用者が入力した検索条件に応じて広域ネットワーク上の複数情報源から該当するマルチメディアデータを収集する機能を設計,実現した.この機能により,利用者は自動的に問題領域別・ネットワーク上の情報源別・期間別に関連するマルチメディアデータの収集が可能になった.(2)収集したマルチメディア群からメディアデータ別に意味的メタデータおよび特徴量を抽出する機能を設計,実現した.この機能により,検索空間に写像するための専門的かつメディアに特化したメタデータを自動的に獲得することが可能となった.(3)マルチメディア群から抽出された意味的メタデータおよび特徴量を対象として,複数の集合演算子を適用し,意味的クエリおよびメディア・クエリを自動生成する機能を設計,実現した.(4)メタデータ化されたメディアデータの情報をベクトル化し,専門分野別・メディアデータ別の検索空間に写像する機能を設計,実現した.この機能により,空間に写像された情報と利用者が入力したキーワードから自動生成されたメディア・クエリとの意味的な近さが相関量として計量できる.(5)分析対象メディアデータおよびクエリ生成用メディアデータ群から時間的・空間的情報をメタデータとして抽出する機能を設計,実現した.本システム実現に関する学術的成果として,3件の雑誌論文の発表(内,査読有り2件),6件の国際学会発表(内,査読有り4件),および,4件の国内学会発表(査読無し)を行った.
|