研究課題
近年、QRコードと呼ばれる2次元コードが普及し、主に印刷物への情報埋め込みに利用されている。QRコードは専用読取端末のみならず携帯電話の読取機能により手軽に利用することができ、現在はWebサイトや広告媒体への誘導、食品等のトレーサビリティ管理などに利用されている。QRコードは360度どの方向からでも読み取ることができ、またスケールの変化にもロバストである。一方で、印刷物等のデザイン性を損ねるデメリットがある。本研究の主たる目的は、QRコードのような人工的なコードに代わり、イメージや写真そのものにデザイン性を大きく損ねることなく情報を埋め込むことである。研究計画に従い、今年度は幾何変形に耐性を有する印刷型ステガノグラフィの検討を行った。今回はまず色相成分を変更することで情報を埋め込む手法について検討を行った。提案手法に基づいて情報を埋め込んだ画像を印刷し、スキャナで読み込んで情報抽出を行ったところ、高い抽出率が得られた。次に、研究計画とは若干異なるが、情報の埋め込みをある程度ユーザに認識させる方法について検討を行った。QRコードはデザイン性を大きく損ねているが、情報の埋め込み場所をユーザに認識させる点においては優れている。そこで、デザイン性を大きく損ねず、一方である程度情報の埋め込みをユーザに認識させる手法について検討を行った。スキャナ、及び携帯電話で印刷物を読み取り埋め込み情報の抽出を試みたところ、良好な結果が得られた。今年度は、幾何変形への耐性に関する検討が不十分であったので、次年度以降の検討課題としたい。
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Proc. of the Image Electronics and Visual Computing Workahop 2010
ページ: 2P-9
Proc. 5th International Conference on Intelligent Information Hiding and Multimedia Signal Processing
ページ: 148-152
