研究概要 |
World Wide Webから収集された画像中のオブジェクトを認識するシステムの開発に向けて,平成21年度は全体の基礎となる手法の研究を進めた.具体的にはオブジェクト領域の抽出手法を改善し,オブジェクト認識の対象となるデータセットの精度を高めた.また,推定に使用する特徴量に関し,色空間の固定的な閾値による分割やクラスタリングを用いた分割等,複数の手法を比較し,最適な方式の検討を行った.本研究において中心となる課題として,特定の検索クエリ用いて得られた画像集合には多様なトピックに属する画像が存在するため,そのままでは画像集合とラベルの間での対応付けか行えず,これらを分離する必要がある.この問題を解決するため,統計的言語モデルで使用される意味モデルを画像集合に対して適用し,適切なトピック構造が得られることを実験によって示した.同時に各トピックに固有の特徴量の組み合わせも取得することができ,画像中に存在するオブジェクトの認識に向けて土台となる手法を構築することができた.さらに,システムのインタフェースを改良し,大規模な評価実験が容易に行えるように工夫を行った.これらの研究成果に関し,国内研究会「Webとデータベースに関するフォーラム」,ならびに国際会議「The 4th International Conference on Ubiquitous Information Management and Communication」にて発表を行った.
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