研究概要 |
本年度は,時空間ボリュームデータを生成し,高次元データを2次元空間に投影する技術を開発し,最終目標である高次元データポケットの開発に向けた基盤技術を生成した. 時空間ボリュームデータは,ボリュームデータの頂点がもつスカラデータの時間変動を,1次元変量データとして各頂点に格納する.この1次元スカラデータ列の並びを視覚的に捉えられるようにするために,本研究では3次元空間に散在するボリュームデータの頂点をOctree形式で表現し,そのOctreeに複数の変量データを格納する方式を開発した.また,このデータを2次元空間に投影することで,大規模時系列データを2次元画像として観察できる技術を開発した. なお,開発と際しては,実際に数値計算によって得られたシミュレーション結果を扱い,数値計算の専門家の意見を取り入れながら開発した.これによって,時空間ボリュームデータの可視化を可視化技術の側面からだけでなく解析も含めた有用性評価の側面から議論できた. 本技術は数値シミュレーションにとどまらず,実測実験データにも適用でき,大規模な高次元データ一般の解析技術としての利用が期待できる.
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