研究概要 |
本研究の成果は、電子商取引における取引者評価に関連する。まず電子商取引における売り手の不正に着目し、真の申告を行うことが収益や取引成立率を増加させることができるメカニズムを提案し、評価した点である。従来、電子商取引において、売り手や買い手を評価するための評価機構が存在している。評価システムにおいては、メジャーな商取引サイトにおいては、商品配送や対応等を含めた4項目の評価項目がある。しかし、評価基準が明確ではなく、また項目数についても商品のカテゴリごとに変化させられることが望ましい。そこで、本研究においては、評価項目自体を自己申告させ、また申告した度合いに応じたインセンティブポイントを付与する制度設計を実現している。評価項目数が増加すればトータルのスコアが増加するメカニズムとされているが,それぞれの評価項目自体が正確かどうかおよび有意義かどうかを評価できる設計であるため、無意味に項目を増やしても高いスコアが得られない仕組みになっている。さらに、売り手が連続して高いスコアを得た取引後は、更なる高い追加ポイントが付与されるため、より慎重に望ましい取引を行うインセンティブを与えることができる。評価として、取引成立率の高さと収益の増加を確認した。
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