研究概要 |
我々は,「言語表現に含まれる感情及び態度を制御する手法の開発」という研究課題に取り組んだ. 具体的には、人間の言語表現において、発言内容そのものを変更しないまま、そこに含まれる感情や発話者の態度や評価などを制御、変更する方法の開発を行った。人間が言語を発するときは、その場面や状況などに応じて適切な表現を選んでいる。コンピュータが同様の表現制御ができるようになれば、人とコンピュータのコミュニケーションもより自然にかつ円滑になり、そのコミュニケーションの応用範囲も広がることが期待できる。また、場面や状況にあっていないテキスト表現を認識しさらに修正することも可能である。 一年目に、ランキング学習の手法を用いて各内容語を言い換える仕組みを考案した。一定の成果はおさめたものの、実用性を考えると機能語を考慮する必要があることも判明した。 それに基づき、二年目以降は、機能語を変換の対象にするべく手法の拡張を行った。まずは、機能語辞書である「つつじ」(松吉ら,2007)を用いて、変換対象の拡張を行った。特に、機能語の難易度や文体を素性として用いることで性能向上を図った。また、そらにこの機能語の難湯度や文体の情報を用いて、機能語との共起情報から内容語への情報付加を行い、全体の変換精度を向上させた。 実際に論文データを用いて実験を行い、適切な衣現への言い換えが可能であることを示した。また、文脈情報のみでは解決できない訓練データに未出現の語に対する問題等に対して,付加した情報を用いて解決できることを示した、 参考文献:松吉ら,日本語機能表現辞書の編纂.自然言語処理,vol.15,no.2,pp,75-99,2007.
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