研究概要 |
本研究では,介護施設において深刻な問題となっている高齢者の俳徊ケア(夜間の定期的見回りと寝つかせ支援)を軽減させるために,高齢者の睡眠段階推定システムを探究し,その有効性を検証することを目的とする.その目的遂行のため,本年度は次の項目を実施した. ●研究項目1:起床直前判定法の考案 レム睡眠状態を特定するだけでは,起床直前判定は困難であるため,昨年度探求した高齢者に適合したレム睡眠判定ルールの学習機構に組み入れることによって,起床直前を推定する方法を考案した(提案手法の中核となる学習機構をPPSN2010, IES2010, NaBIC2010, SICE SSI2010,進化計算シンポジウムにおいて発表した). ●研究項目2:統合介護支援システムと総合評価 昨年度から本年度までに考案した手法を統合した介護支援システムを構築し,その有効性を実データ(介護施設における高齢者の身体データ)を基に評価した.具体的には,特別養護老人ホーム(グリーンライフ)の3名の高齢者(82歳,89歳,107歳)の心拍と体動のデータを取得し,提案手法の精度を評価した(提案手法とその評価を、電子情報通信学会の英文誌ならびに,WCSS2010, SICE Annual Conference 2010において発表した).
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