研究概要 |
画像内容検索に関する研究は,画像認識の応用研究の一つとして,盛んに行われてきているが,利用者の主観と画像特徴量とのギャップ(セマンティック・ギャップ)を埋めるには至っておらず,課題として残されている。そこで,本研究では,対話型スケッチ画像検索において,データマイニングを応用して,膨大なデータベース画像,スケッチ図,利用者の適合評価から,有用な情報を取得し,セマンティック・ギャップを軽減し,検索精度・効率を向上させることを目的とする。 スケッチ画像検索の画像特徴量には,申請者が既に提案している,2値の線画像を対象とした線画素の相対的位置関係に着目した特徴量Edge Relation Histogramを用いている。Edge Relation Histogramを用いたスケッチ画像検索は,位置,大きさ,回転,鏡像に不変な検索が可能であるが,1枚の画像から抽出される特徴量は1つであるため,画像の部分的なオブジェクトのみを検索するといった部分検索は不可能であった。しかし,部分検索を利用者は望んでいることが明らかになり,部分検索に対応する必要が出てきた。部分検索に対応するためには,オブジェクトごとに特徴量を抽出する必要がある。2値画像を分割する手法として画素の連結成分を抽出するラベリングがあるが,複数のエッジ曲線から構成されるオブジェクトは抽出できないため,オブジェクト抽出として適用するのは困難である。そこで,本期間中,エッジに基づく特徴量を用いたオブジェクト抽出を提案し,スケッチ画像検索に応用することで,部分検索を可能にした。部分検索の有効性を検証するため,20,000枚の画像に対して,適用したところ,有効性を確認できた。
|