研究概要 |
1) 1ノルムソフトマージン最適化問題の解法に関する研究を行った.1ノルムソフトマージン最適化問題とは踈な分類器を学習する主なアプローチの1つである.この問題では,マージンを大きくするような線形分類器を重みの1ノルムを正則化することによって求める.本研究では,1ノルムソフトマージン最適化問題における疎性に着目し,新しいブースティング手法Sparse LPBoostを提案した.提案手法は重要そうな事例や仮説のみを選択し,より小さい線形計画問題解くことを繰り返すことにより,高速化をはかる.人工データおよび実データにおける準備的な実験において,提案手法Sparse LPBoostが,従来手法である線形計画ソルバやLPBoostよりも1ノルムソフトマージン最適化問題をより高速に解くことを示した.特に,事例や仮説の総数が1万から100万以上であるような大規模なデータにおいて,Sparse LPBoostは他の手法に比べて数倍から100倍の高速化を達成した.この結果は国際会議Discovery Scienceで受理されると共に,情報論的学習理論ワークショップにおいて,プログラム委員会特別奨励賞ファイナリストに選ばれた. また,その他の研究として,2) 非類似度関数を用いた機械学習アルゴリズムの研究(Wangらとの共同研究),3) AIBOロボットのスキル発見における試行の削減手法の開発(小林らとの共同研究),4) ランキングのオンライン予測手法の研究,5) 非定常データストリームのためのオンライン予測手法の開発,を行った.2),3)についてはそれぞれNeural Computationおよび人工知能学会論文誌に掲載された.
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