研究概要 |
本年度実施した研究の成果としては,前年度の研究成果を受けて,(1)群知能を利用したメターヒューリスティクスにおける種々のパラメータに基づく実験的評価,(2)進化計算を用いた制約充足問題の実問題生成に関する検討等,を実施した.それぞれ交付申請書記載の研究目的に対応するものであり,いずれもほぼ研究実施計画通りに実施することができている. 具体的には,(1)では,解候補を生成する複数のエージェントが他のエージェントと協調しながら問題解決を進めていく方法に対して,エージェント同士のコミュニケーション方法によって,問題解決効率にどのような変化が伴うかについての実験的評価が主たる成果である.この結果をもとに問題解決時にどのようなコミュニケーションによって解候補を生成していくかを,与えられた実問題に応じて適応的に行なうことができるメタヒューリスティクスを考案することが可能となった.これは本研究課題の本来の目的である自己適応型メタヒューリスティクス開発を達成するための重要な成果であるといえる. また,(2)では,これまで開発してきた実問題生成法に新たに進化計算モデルを導入し,これまで生成することができなかった範囲の実問題生成を可能となる生成法について検討を行ない,そのプロトタイプを実装した.また,いくつかの生成された実問題に対して計算機シミュレーション実験を行ない,これまで得られた結果との比較検討を行なった。これは,目的(1)で開発するメタヒューリスティクスの評価のための準備が整いつつあるという意味で大きな成果であったといえる.
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