研究概要 |
国土交通省の公開している道路地図25000を利用して,道路を辺,交差点を頂点としたグラフを定義した。そして、生成されたグラフ構造を用いて、その直径、最短経路長、局所連結度、最大フローなどを求め地図の難しさを表す指標の制定を行った。それらに基づき、「地図の難しさ」=「エージェントの移動の難しさ」という視点から、地図の構造に基づく特徴を定量化することを試みた.また、災害救助シミュレーション(RoboCupRescueシミュレーション)においては建物の配置や密度もシミュレーション結果に大きく影響すると考えられるので、それらに関しても地図の難しさを表す指標を定めた。 これらの指標がシミュレーション結果とどの程度関連があるかの分析を行った。その結果として関連が深いものとそうではないものがあることが判明し、関連が深いものを抽出するために統計手法の多重共線性を利用した。そして、抽出した指標を用いることでよりシミュレーション結果と関連が深い指標を導き出せることを示した。また、これらの指標を用いると、道路に関しては11次元、建物に関しては16次元にもなるため地図のどのような特性を表しているのかが判別しにくいという問題が残った。そこで、これら多次元情報を2次元もしくは3次元に写像する手法として自己組織化マップを利用し、その結果としてこれらの指標が地図を大きく二つのグループに分けることができるということを明らかにした。
|