研究概要 |
今年度は昨年度に引き続き、百貨店のID-POSデータを用いた小売りサービスにおける大規模データと熟練従事者の経験を統合した計算モデルの研究を行った。昨年は顧客行動の計算モデル化を行うために顧客と商品のセグメント化を確率的な潜在クラス分析法を導入することで実行し、このセグメント化技術では適度に購買・被購買パターンの情報を保持したまま、顧客と商品の分類を自動的に発見できることを確認した。本年度は昨年度と比較してより大規模な顧客数、商品数での顧客行動のモデル化を可能にするための研究を主に行った。そこでは、64bitの計算機環境において十分な量のメモリを使用することができれば10,000顧客、10,000商品程度の組み合わせに対しても、実業務に使用可能な程度の計算負荷で顧客行動の計算モデルを構築できることを確認した。以上の研究成果はデパート以外の小売サービス業で観測・保存されているID-POSデータに対しても水平展開や発展的応用が可能な技術である。本年度の研究成果として、以下の論文と国際会議で発表することができた。査読付き論文「石垣、竹中、本村:百貨店ID付きPOSデータからのカテゴリ別状況依存的変数間関係の自動抽出法、オペレーションズリサーチ、Vol.56, No.2, pp.77-83, 2011」、査読付き国際会議「T.Ishigaki, T.Takenaka and Y.Motomura、Customer-Item Category Based Knowledge Discovery Support System and Its Application to Department Store Service、IEEE Asia-Pacific Services Computing Conference, pp.371-377, 2010」
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