研究概要 |
(1)静止物体への画像投影システム開発 ユーザとロボットをつなぐ共通の「言葉」として「画像」を利用することで,ロボット対してユーザの要求を伝えやすい,誰もが容易に利用可能なロボットを実現するため,プロジェクタとカメラを同軸に設置した形状計測装置を参考に「画像トランシーバ」の設計・開発を行った.プロジェクタとカメラ,ハーフミラーを組み合わせた単純構造にミラーを追加することで,投影画像と撮影画像の鏡像関係解消と小型化を実現した. (2)移動物体追跡システム開発 移動物体追跡手法には,照明変動・遮へいに対して高いロバスト性を特徴として持つ方向符号照合法を応用することで,利用環境に制限の少ない移動物体追跡システムを実現した. 【移動物体追跡】環境変動による背景変化や画像輝度の変化,また運動に伴う回転及び形状の変化に対してロバストな追跡手法を提案した.提案手法では,方向符号化の際に,参照画像の中心からみた方向を符号化することで回転に不変な特徴量を得ている.また追跡対象物の位置をフィードバックし,対象が常に視野中心に来るような位置制御を実現した. 【オプティカルフロー推定】ハイライトや遮へいが同時に存在する画像に対して,オプティカルフローを推定することは非常に困難であると考えられる.このような画像品質が低い映像からオプティカルフローをロバストに推定する手法を提案した.提案手法では,方向符号照合法により算出される2枚の画像間の類似度分布に基づき,オプティカルフローとなり得る「候補ベクトル」の生成(正投票)とオプティカルフローが存在する可能性が低い「無相関領域」の抽出(負投票)からなる補完的な投票によりオプティカルフローを推定した.
|