研究概要 |
本年度は,運指認識技術の高度化,アプリケーションの開発,アウトリーチ活動に取り組んだ.以下,これらの詳細について述べる. 【運指認識技術の高度化】 申請者はこれまでに鍵盤楽器・弦楽器・打楽器のための使用している指を認識する運指認識システムを構築し,いずれも認識精度は約90%で高い精度で認識できる.また,演奏を妨げないために指や手に専用のデバイスを装着しないことを念頭におき,画像処理ベースで認識を実現してきた.しかし,例えば,弦楽器の学習で有用な情報である弦に離れている/触れている/押しているといった指のコンテキストは,非常に繊細な指の動きであり画像処理だけで検出することは難しい.そこで,本年度は,静電容量技術を活用することで指のコンテキストを認識できるシステムを構築した.その認識精度は98%で非常に高く,弦楽器演奏のような高速な指の動きに十分対応できる. 【運指認識技術を活用したアプリケーション】 運指認識技術を活用したピアノ学習支援システムを活用した.本システムは,打鍵位置,運指,リズムなどを学習でき,インタラクティブ系最難関の査読付国内会議の1つであるインタラクション2012にて登壇発表およびデモ発表を行った.また,音楽系最難関国際会議のICMC2011にて登壇発表を行った. 【アウトリーチ活動】 上記で述べた静電容量技術を応用したアプリケーションを構築し,Boston Children's museumなどで展示,デモンストレーションを行った.本アプリケーションは,インタラクティブ系最難関の査読付国内会議の1つであるWISS2011にて登壇発表およびデモ発表も行った.
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