研究概要 |
ロボット要素を環境中に分散配置し,これらのロボット要素を強調させることで実現される環境分散型ロボットシステムであるユビキタスロボットの実現を目指している.この実現にむけて,分散されるロボット要素間の情報通信における遅延は大きな課題であり,本研究では,無線通信における時間遅れを考慮にいれながらも円滑な分散されたロボット要素間の連携を実現する手法の確立を目指している. 今年度本研究では,通信の遅延に注目し,分散するロボット要素間の同期技術の開発,および制御を実現するうえで必要となる時間遅延についての計測を行とともに,この時間遅れの影響について,センサ-アクチュエータを利用したシステムにおいて検証を行った.従来は時刻同期を無線通信デバイスの中で実現する手法が採られてきたが,本研究では,時刻同期専用のモジュールを外部に設置することで,時刻同期の枠組みを実現することした.本手法の利点は,無線通信デバイスが無線通信のみに集中することで,機能分離が図りやすい点があげられる.また,具体的に分散ロボット要素間の通信を実現する通信網としては,近年幅広い近距離無線通信用途への応用が期待されているZigBeeに注目し,スカイリー・ネットワークス社製のZigBee開発キットによって,無線通信における時間遅延について観測を行い,この結果に基づき,センサおよびアクチュエータのそれぞれにZigBeeモジュールを設置し,これらの間で簡易なフィードバック系を組むことで時間遅れの影響について調べ,今後の制御計画を練る上での基盤となるデータの獲得を行った.
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