研究概要 |
本研究は,直感的操作系を可能とする身体動作インタフェースを実現するために,機械の拘束動作を人間動作に近づける近似人間動作の実現法とその評価法を確立する.さらに,身体動作から近似人間動作生成コマンド群へのマッピング方法の考察を行う. 本年度は,1.近似人間動作の実現法と,2.その動作の機械への写像法,そして3.その評価を試みた. 1.近似人気動作の実現のために,まず,人間動作を一昨年度構築した,モーションキャプチャシステムにより計測した.計測したデータから,機械の動きを人間の動きに近づけるために,機械の手本となる動きを抽出した。その方法は,複数の被験者の動作パターンから離散フーリエ変換を用いて基本波成分を抽出し,それを位相平面に写像する.そして位相平面上において,各被験者の動作軌跡を,最小二乗法によて1つの楕円で近似した.この楕円曲線は,人間動作の基本成分を表していると考え,この曲線を機械の動きの手本とし,近似人間動作とした.この曲線は,時間領域で捉えると異なる動作を統一的に扱えることが分かった. 2.1.で見出した近似人間動作を機械で再現するために,位相平面上の近似人間動作を時間を用いて媒介変数表示し,近似人間動作を位相平面から時間空間に写像し,機械の制御入力とした.もちろん,厳密には,機械と人間の動きは一致することはないが,動作の基本成分を機械で再生していることから,従来の機械の制御方式とは異なり,人間の動きを手本にした動作といえ,人間のような動きを実現できていると考える. 3.最後に,一昨年のインタフェースの評価方法と同様に,近似人間動作で動作する機械の動きをSD法を用いて印象評価を行った.この結果,提案の動きは,人に自然な良い印象を与えることが分かった.
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