研究概要 |
本年度は,TOFカメラから得られる距離情報を用いた人検出として,上部から撮影した距離画像からの人検出アルゴリズムを検討し,その有効性を精度と速度の面から検証した.成果は以下の通りである. TOFカメラにより人を上部から撮影して得られる距離情報を用いて,人の形状を表現するHaar-likeフィルタによる高精度かつ高速な人検出法を提案した.提案手法は,人を上部から撮影した距離画像に対して、積分画像を用いたHarr-likeフィルタリングを行い,上半身の凸形状を抽出し,Mean-shiftクラスタリングにより人の位置を同定する.Haar-likeフィルタリンクを用いて人の凸形状を検出することにより,人の中心部分の距離情報を用いてクラスタリンクすることで,近接し合う人の距離情報を分離でき未検出を抑制することができる.しかし,Haar-likeフィルタリンクによる人検出法では,画像上での人の位置や向きにより,肩と頭の見えが変化する場合,直線的に配置したフィルタでは適合せず,誤検出の原因となる場合がある.そこて,事前に画像の各画素を中心とする位置に人モデルを配置し,人モデルの肩と頭の位置をLook Up Table(LUT)として記録する.人検出を行う際には,LUTに基づきHarr-likeフィルタを配置することで,人の位置や向きの違いに対応する手法を提案した.従来法との比較実験より,提案手法は5.7%検出精度を向上させることができた.このとき,提案手法は約17fpsでリアルタイムに人検出が可能であることを確認した.
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