研究課題
本研究の目的は,未知天体上空において多様な地形,高度に対応した探査機の3次元自律航行に必要な基礎技術を検討することである.従来の着陸段階に特化した検討や特定の地形に依存した手法を超え,高速時系列画像処理などの導入によりロバストな誘導制御を行い,従来の点的探査とは質的に異なる天体環境の総合的理解を目指すとともに,地上運用者の負担の軽減を図るものである.本年度は最終年度として,これまでの検討を総括するとともにさらなる発展的研究を行った.まず複数マーカを用いた着陸手法については,複数の実装シナリオを提案して様々な環境条件を仮定してトレードオフ検討を行い,最もロバストで成績の良いシナリオを選定するとともに,実ミッションへの応用に向けて詳細な運用シーケンスを検討した.また天体表面の地形モデルの再現性を Iterative Closest Point を用いて評価する手法,およびその結果を地形にマッピングする手法を開発し,実際のデータに適用した.地形モデル構築においては,これまで天体上空の宇宙機の運動は赤道面上を主に想定していたが,より自在な3次元運動の実現を目指し,高緯度地方や極上空など多様な航行パターンに対応できるように天体模型計測撮像システムの改良を行った.さらに複数探査機による遠方観測と近傍観測の組み合わせについて,ミッション設計の具体化を行ったほか,自律航法のための撮像および画像処理について,マーカを用いる場合に特有の回線計算手法を確立し,シミュレーションを行って過去の実機データと比較検討した.これらの結果を学術雑誌,国際会議等で発表した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Transaction of JSASS, Aerospace Technology Japan
巻: Vol. 10, No. ists28 ページ: Tk_19-Tk_25
DOI: 10.2322/tastj.10.Tk_19