研究概要 |
本研究では,簡易脳波計測器を製作し,人間の生理的欲求・習慣的欲求および官能評価の研究を行うために,21年度は脳波計測装置の確立を行なった.また,21年度に脳波から生理的欲求・習慣的欲求をパターンとして分類する前に前処理を行なうことで,意味のある信号のみを取り出すことができた.本アルゴリズムを用いることで,人間の生理的欲求(トイレに行きたい,食事を取りたい)の脳波を検出することができた(21年度).そこで本年度は21年度に得られた脳波の特徴から,トイレに行きたいときには具体的に周波数の○HZと○HZ(組み合わせ)が重要である,という脳波の周波数特定を目指し研究を行った.その結果,生理的欲求には11Hzと14Hzの組み合わせが大きく影響していることを突き止めた.さらに,これらの周波数の組み合わせには個人ごとに差があるものの11Hzと14Hzの組み合わせが重要であることは変わりないことを証明し,個人差による影響を防ぐためにこれらの周波数の組み合わせを見る際に重みを付ける方法を提案した.重み決定方法には遺伝的アルゴリズムを用いて決定することでそれぞれの個人による差を軽減することができた.これらによって,脳波から生理的欲求を取得するために重要な周波数の組み合わせと個人差による影響を防ぐためのアレンジを行うことができ,研究実施計画どおり進めることができたと考えている.
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