研究概要 |
本研究では,生態情報である脳の活動状態と言語情報であるテキスト文章を利用し,ユーザが持っている潜在的な嗜好を推定する手法を開発することを目的としている.本年度は最終年度にあたる. 一昨年に26名,昨年度に17名の被験者から脳活動測定装置(EEG)を用いて収集した脳波データ,ならびに,嗜好推定に必要となる感情に関するデータを利用し,人の感情を推定するアルゴリズムを開発した.過去2年間の実験を通して,脳波に多くの雑音が混入する問題が明らかになった. そこで本年度は,脳波データの取得実験の方法を改良し,20名の被験者から過去2年間と同様に脳活動測定装置(EEG)を用いて収集した脳波データ,ならびに,嗜好推定に必要となる感情に関するデータを収集した.これらの新しいデータを基に研究を行った結果,感情推定精度が約5%向上した.また,男女の差異などについて検討し,効率よくデータベースを構築する方法を見出した. 今後は,雑音が混入しても精度良く感情推定できる手法の開発を行う予定である.
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