本研究は、心の健康指標としての笑顔に着目し、心理的な負荷による笑顔の変化様態を明らかにすることを目的とする。若年層を中心に無表情化とコミュニケーション能力の低下が危惧される現在、個人による笑顔形成能力の違いの実態を調査した。その結果、笑顔づくりができない大学生が多数いることが確認できた。また、暗算などの精神的な負荷によって笑顔をつくる表情筋活動が低下すること、音の不快な刺激によっても笑顔の形に影響を与えることがわかった。笑顔づくりの指導に関しては、個人の形成能力に合わせたフェイシャルエクササイズを行う必要があることが示された。
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