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2010 年度 実績報告書

リカレンスプロットを用いた時系列データの検定

研究課題

研究課題/領域番号 21700249
研究機関東京大学

研究代表者

平田 祥人  東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (40512017)

キーワード複雑系 / 時系列解析 / 信号処理 / 非線形現象 / 非線形理論
研究概要

本研究は,リカレンスプロットを用いた時系列データの検定手法を提案することを目的とした.複雑な現象から観測された時系列データを解析する手法の1つとして,リカレンスプロットが注目されている.これは,動的システムから生成された(非定常)データや,ノイズに汚染されたデータに対してもリカレンスプロットが有効であるためである.また,点過程に対しても,リカレンスプロットを定義できる.しかし,リカレンスプロットに関しては,点のパターンの定量化は進んでいるものの,背後に存在する力学系との関係や点パターンの確率構造・位相幾何学的性質はあまり議論されていない.そこで,本研究では,リカレンスプロットの点パターンの確率構造・位相幾何学的性質に着目し,背後に存在する力学系の性質を特徴づける検定手法を提案した.特に,本研究は,非定常データ,ノイズに汚染されたデータ,点過程データに対する新しい解析手法を提案するものである.
本年度は,主に,前年度に開発したリカレンスプロットを使った手法を実データに応用した.まずは,ヤリイカの巨大軸索から取られたデータに応用したところ,系列相関があり,定常線形過程とは異なり,決定論的カオスと整合的であることがわかった.続いて,北極振動のデータに対しても開発した手法を応用した.その結果,系列相関があり,定常線形過程とは異なることがわかった.また,データの一部の区間では,決定論的カオスと整合的であった.最後に,外国為替と地震の点過程データに応用した.非定常な場合の対策としてk個の近傍を用いてリカレンスプロットを作る手法などを考えていたが,用いたデータは作り直した定常性の検定をパスするので,非定常性に対する対策を取らなくても良い.これらのデータには系列相関があるが,決定論的カオスと整合的であることを積極的に示すことはできなかった.また,為替のデータは,周期1日の周期性を示した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Devaney's chaos on recurrence plots2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Hirata, Kazuyuki Aihara
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 82 ページ: 036209

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Definition of distance for marked point process data and its application to recurrence plot-based analysis of exchange tick data of foreign currencies2010

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Suzuki, Yoshito Hirata, Kazuyuki Aihara
    • 雑誌名

      International Journal of Bifurcation and Chaos

      巻: 20 ページ: 3699-3708

    • 査読あり
  • [学会発表] リカレンスプロット:時系列の視覚化を越えて2010

    • 著者名/発表者名
      平田祥人
    • 学会等名
      マクロ経済動学の非線形数理
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-09-10
  • [学会発表] Linearity and nonlinearity within recurrence plots2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Hirata, Kazuyuki Aihara
    • 学会等名
      2010 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications
    • 発表場所
      Krakow, Poland
    • 年月日
      2010-09-08
  • [学会発表] Time series analysis using distances2010

    • 著者名/発表者名
      平田祥人
    • 学会等名
      GSC七夕ミーティング
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2010-07-15
  • [学会発表] Identifying common hidden causes from bivariate time series in the brain2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Hirata, Yoshiya Matsuzaka, Hajime Mushiake, Kazuyuki Aihara
    • 学会等名
      458th WE-Heraues-seminar, SYNCLINE 2010 Synchronization in Complex Networks
    • 発表場所
      Bad Honnef, Germany
    • 年月日
      2010-05-27

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公開日: 2012-07-19  

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