研究概要 |
1)FPGAによるハードウェア実装: ニューロンの基本単位モデルをハードウェア記述言語を用いて設計し,Altera社製のStratx IVが搭載されたFPGAボードに実装した.実機上でのリアルタイム学習の動作を確認するとともに,倍精度浮動小数点による学習精度について,エラーレートの推移から評価した.また,カメラからのビデオ信号を入力するための回路と,ノンインターレース画像として出力するための回路を実装し,一連のシステムとして統合した.その結果,30fpsのビデオレートによるリアルタイム学習に成功した. 2)コンテクストに基づく実世界シーン分類への応用 適応共鳴理論(ART)と自己組織化マップ(SOM)を組み合わせた本手法を,コンピュータビジョンにおける実世界シーン分類へと応用展開する試みとして,コンテクストに基づく入力特徴量の記述について検討した,具体的には,前景にはSIFT,背景にはGistの特徴量を用いて,2次元ヒストグラムにより記述した.既存の3種類の手法と比較した結果,本提案手法の比較優位性が得られた. 3)ロボットビジョンのための複数物体認識への応用 リアルタイム学習は特に身体性を有するロボットにおいて必要性が高いることから,本手法のロボットビジョンへの応用として,複数物体認識のための物体領域の検出と分割について検討を加えた.具体的には,顕著性マップを用いて物体領域を検出し,グラブカットを用いて物体と背景を分割した.標準データセットを用いた基礎実験では,複雑な背景パターンを有する画像に対しても適用できる見通しが得られた.
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