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引用ネットワーク分析は、学術分野の全体像を俯瞰するための手法として国内外で広く研究・開発がなされているが、国内においては既存の手法を特定の分野に応用したものが多く、汎用性の高い基礎的な研究が十分に行われているとは言い難い。本研究は、引用ネットワーク分析において、様々なリンク形成手法やネットワーク指標を用いて、手法間の比較分析を通して、有用な手法を開発することを目的としている。
本年度は、異なるリンク形成手法を用いた引用ネットワーク分析における、萌芽的分野検出性能の比較評価を行った。引用ネットワーク分析においては従来、共引用、書誌結合、直接引用といった異なるリンク形成手法が用いられてきたが、これら異なる手法を用いた際の結果の比較検討は不十分であった。本年度は、共引用、書誌結合、直接引用により作成されたリンクにさらに、論文中に出現する語の類似度や、論文間の出版年度の差を用いて、リンクに重みを持たせる手法を検討した。様々なリンク形成手法を用いた引用ネットワーク分析により、特定の学術領域中の萌芽領域の検出性能を比較評価した。その結果直接引用を用いた手法が他の手法に比べ、萌芽両機をいち早く検出できることが分かったが、リンクの主にづけ手法は検討した範囲では結果に大きな影響をもたらさなかった。本年度は材料学や情報学における事例分析を行ったが、今回得られた成果を活用することで、他の領域においても、萌芽的な研究領域を効率的に抽出することが可能である。
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