研究概要 |
Webは,時代に応じて利用形態を変化させつつ,公開される文書数は増加し,文書ジャンルは書き手の目的に応じて多様化の一途をたどっている.文書ジャンルには,不特定多数の読者に向けて事件を報道するニュース,興味を共有する読者に向けて書き手め考えや体験を表現するブログ,自分の情報要求に対する回答を求めて読み手と積極的にやり取りをするコミュニティQAや,その場の体験を一方向的に公開するマイクロブログがあり,目的に応じて文章の書き方,表現は異なり,出現する意見の傾向も異なる. 一方,ユーザがWebから情報を得ようとする方法や情報要求も多様化している。近年では,多くのユーサから積極的に情報を収集する集合知を利用して情報を得る方法が盛んであり,コミュニティQAはその一事例と考えられる.コミュニティQAは,分野を特化することで,その分野に特に興味がある人あるいは専門家に向けて自由に質問することができ,ユーザは,専門家から得られる回答情報を検索するタイプの質問や,多数の回答者からアンケートのような社会調査目的で回答を収集するタイプの質問を問い合せる. 本研究では,意見を問う社会調査型の質問と,理由を調査する情報検索型質問に焦点を当て,個別の意見を多く含むブログから回答意見について分析を行い,考察した.まずコミュニティQA(Yahoo!知恵袋)に出現する16の質問とその回答を含む80のブログを対象に,アプレイザル理論を考慮した意見情報と回答情報のアノテーションを行い,データセットを作成した.次に,回答意見の,ドメイン(カテゴリ)や質問タイプとの関係について調査し,回答となる意見を抽出し整理する際に,トピックに依存した意見タイプを選択して抽出することが有効であることを示した.
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