研究概要 |
本研究の目的は,カナダのウエスタン・オンタリオ大学(The University of Western Ontario,以下,UWOという)のケース・スタディによって,次の課題を明らかにすることである。 (1) 図書館(員)はどのような学習支援及び教育支援を実施してきたのか。 (2) 教育活動において教員と図書館員がどのように連携してきたのか。 (3) 教員と図書館員の連携を促進する図書館員によるアプローチは何か。 (4) 教員と図書館員の連携を促進する図書館内外の環境要因は何か。 (5) 教員と図書館員の連携は,大学,教員,学生,図書館にどのような成果をもたらしたか。 2009年度には,UWOに関する基礎的な情報を得るために,文献調査及び訪問調査を実施した。文献調査では,UWOの図書館に関するWeb情報を収集した。訪問調査では,UWOの中期計画や情報リテラシー教育コーディネーターに関する内部資料を収集するとともに,教育支援センター(Teaching Support Centre)の関係者(センター長,教育開発の担当者)及び図書館の関係者(情報リテラシー教育コーディネーター,管理者,レファレンス係員)への聞き取りによって,教育支援センターと図書館の連携の現状とその背景,情報リテラシー教育コーディネーターの役割と活動,レファレンス係員が取り組む学習・教育支援に関する情報を収集した。また,情報リテラシー教育コーディネーターが担当する授業,図書館関係者のための教育・学習フォーラムの参与観察により,ウエスタン・オンタリオ大学の図書館員が取り組む学習支援に関する情報を幅広く収集した。以上の文献調査及び訪問調査によって,ウエスタン・オンタリオ大学の教育支援センターと図書館の学習・教育支援に関する基礎的な情報を得ることができた。2010年度には,2009年度に収集した情報をもとに,記述的ケース・スタディに関する学会発表をするとともに,人文学部(The Faculty of Arts & Humanities)におけるカリキュラム開発に焦点を当てて調査を進める予定である。
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