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2011 年度 実績報告書

3次元デジタルアーカイブを目的とした美術品の分光ベース光反射モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21700270
研究機関長野大学

研究代表者

田中 法博  長野大学, 企業情報学部, 教授 (90387415)

キーワードデジタルアーカイブ / コンピュータグラフィックス / コンピュータビジョン / 画像計測 / 反射モデル / 文化財 / GPU / 分光反射率推定
研究概要

本年度は当初の計画通り,これまでに構築した光反射モデルに基づいて,より複雑な表面構造を持つ物体表面の光反射モデルを構築した.たとえば絹織物等の微細な表面構造を持つ物体の光反射特性や分光反射率を推定する手法を開発した.このことから従来では推定が難しかった絹織物や人の肌などを対象にデジタルアーカイブが可能となった.重要な有形文化財の多くは複雑な表面構造をもつものが多く,これまでこういった対象の光沢や陰影の様子を精密に記録再現ができなかったが,本研究によりこういった対象のデジタルアーカイブができる可能性を示すことができた.
1.複雑な表面構造を持つ物体表面の計測系構築:複雑な表面構造を持つ物体表面の観測を簡便化するために高解像度のカメラとマクロレンズを用いて,表面構造を拡大して画像計測できる計測系を構築した.この計測系では様々な照明方向を設定しながら反射光分布を計測するが,表面構造を単純な要素に分解することでモデル推定を簡便化することができた.2.分光反射率の推定アルゴリズムの開発:複雑な表面構造を持つ物体の場合には,反射光に常時光沢が含まれている可能性があるため画像計測のみならず,分光光度計等の計測器を用いても正確に分光反射率が計測できない場合がある.こういった対象から画像計測とヒストグラム解析により正確に分光反射率が計測できる手法を開発した.3.レンダリング・ディスプレイシステムの開発:Graphics Processing Unit(GPU)上に構築した光反射モデルを実装して,デジタルアーカイブした美術品をリアルタイムにレンダリングする手法を開発した.このときレンダリングシステムに3次元ディスプレイ装置を採用して立体的な美術品の映像再現を試みた.このとき,同時に分光ベースのリアルタイムレイトレーシング法を開発することで,相互反射を含む物体のCG再現が可能となった.

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (10件) 備考 (2件)

  • [学会発表] CG技術と画像計測に基づいたスマートフォン用アプリケーションの開発2012

    • 著者名/発表者名
      田中法博
    • 学会等名
      AREC第132回リレー講演会[機器組込みソフトウェア分野]
    • 発表場所
      信州大学繊維学部(長野)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-15
  • [学会発表] デジタルアーカイブ用文化財展示システムの試作2012

    • 著者名/発表者名
      宮下朋也
    • 学会等名
      国立歴史民俗博物館「デジタル化された歴史研究情報の高度利用に関する研究」,画像電子学会第10回画像ミュージアム研究会合同研究会
    • 発表場所
      国立歴史民俗博物館(千葉)
    • 年月日
      2012-03-02
  • [学会発表] スマートフォンの未較正カメラを用いた分光画像計測2012

    • 著者名/発表者名
      戸谷重幸
    • 学会等名
      国立歴史民俗博物館「デジタル化された歴史研究情報の高度利用に関する研究」,画像電子学会第10回画像ミュージアム研究会合同研究会
    • 発表場所
      国立歴史民俗博物館(千葉)
    • 年月日
      2012-03-02
  • [学会発表] GPUを用いた分光ベースレイレーシングの色再現精度2011

    • 著者名/発表者名
      戸谷重幸
    • 学会等名
      日本感性工学会第13回大会
    • 発表場所
      工学院大学(東京)
    • 年月日
      2011-09-03
  • [学会発表] スマートフォンを用いた人の肌の3DCG再現システム2011

    • 著者名/発表者名
      戸谷重幸
    • 学会等名
      日本感性工学会第13回大会
    • 発表場所
      工学院大学(東京)
    • 年月日
      2011-09-03
  • [学会発表] 画像計測に基づく人間の肌の反射特性推定と3DCG再現2011

    • 著者名/発表者名
      射手彩樹
    • 学会等名
      日本色彩学会誌(全国大会予稿)
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2011-05-15
  • [学会発表] 複合現実感技術における仮想物体間の相互反射の実現と色再現評価2011

    • 著者名/発表者名
      宮下朋也
    • 学会等名
      日本色彩学会誌(全国大会予稿)
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2011-05-14
  • [学会発表] 光反射計測に基づいた絹織物の反射特性推定2011

    • 著者名/発表者名
      望月宏祐
    • 学会等名
      日本色彩学会誌(全国大会予稿)
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2011-05-14
  • [学会発表] ヒストグラム解析に基づいた絹織物の分光反射率推定2011

    • 著者名/発表者名
      荒井甫
    • 学会等名
      日本色彩学会誌(全国大会予稿)
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2011-05-14
  • [学会発表] スマートフォンを用いたデジタルアーカイブ用3DCG再現システム2011

    • 著者名/発表者名
      戸谷重幸
    • 学会等名
      日本色彩学会誌(全国大会予稿)
    • 発表場所
      千葉大学(千葉)
    • 年月日
      2011-05-14
  • [備考]

    • URL

      http://www2.nagano.ac.jp/n-tanaka/

  • [備考]

    • URL

      http://www.nagano.ac.jp/education_research/gengencg/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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