研究概要 |
最終年度である本年度は,本研究課題の最終目標の実現に向けて,以下の5つのテーマについて研究を進め,最終的な評価等を行った. 1.日本語古典史料のテキスト処理手法の開発 言語資源に乏しい日本語古典史料のテキスト処理の手法として,文字Nグラム出現確率に基づく単語抽出手法について研究を行い,名詞の抽出において一定の精度を得ることができた.また,日本語古典史料を対象として,人名・地名の共起関係を通した人物関係の可視化の研究を行い,人文系研究者による利用者評価実験を行った結果,概ね肯定的な評価を得ることができた. 2.人文系データベースの横断検索システム 浮世絵画像のデータベースを対象として,国内外の複数言語からなる異種データベースを横断検索する手法について研究を行い,実際に大英博物館,ボストン美術館,国立国会図書館などのデータベースを横断検索可能なプロトタイプシステムを完成させた. 3.伝統的モンゴル文字文書のデジタル図書館システム すでにインターネット上で公開している同システムについて,モンゴル文字の研究者および一般利用者による評価実験を行った結果,システムの有用性および意義について非常に高い評価を得ることができた. 4.多言語Webページの作成支援システム Webサイトの多言語化を支援する技術として,文章の構文や意味の情報を保存することで機械翻訳の精度を向上させ,多言語Webページの作成を支援するシステムを開発した.本研究の成果について,国際会議IMECS2012においてBest Student Paper Awardを受賞した. 5.確率モデルに基づく評判情報の評価側面の推定 トピックモデルによる評判情報の評価側面の推定手法について研究を行った.本研究の成果について,国際会議IMECS2012においてBest Student Paper Awardを受賞した.
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