研究概要 |
平成22年度は,平成21年度に引き続き,史料学における研究的"知見"(情報リソース,意見・所見などのアノテーション,および,情報リソースとアノテーションとの関連)を管理・利活用できる情報基盤を明らかにするために,以下の問題に取り組んだ. 1)アノテーションの表現方法とその管理方法 2)アノテーションを付与するためのユーザインターフェース 3)適用範囲の拡大 1)については,人名や地名の注記,細字双行や追筆の文字列の体裁などのアノテーションの管理方法について,昨年度の模索した方法をさらに洗練し,アノテーション,翻刻および画像を関連付けるテキスト構造を試案した.また,1つの史料画像だけではなく,史料群としてのテキスト構造化にも着手した.また, 2)については,1)におけるテキスト構造化の方法にもとづいてテキスト・アノテーションを入力・出力できるユーザインターフェースをプロトタイピングした. 3)については,これまで東京大学史料編纂所歴史情報データベースにおける「所蔵史料目録DB」(Hi-CAT)を対象としたが,本研究の手法をこれ以外の史料群への適用方法について検討を始め,まずはHi-CATとの横断検索可能な目録構造について思案した.
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