研究概要 |
本研究の目的は,プログラミング教育における問題解決能力の獲得プロセスに注目し,プロセス観察による教育支援方法の確立と,その支援プラットフォームを提供することである.平成22年度は,平成21年度に引き続く成果として,PBL(Project-Based Learning)形式の企業人育成方法およびそのプロセスについての発表を行った.この発表では,現場の技術者がソフトウェア開発プロセスを一般化することの重要性とそれが可能となる教育環境の提案と評価をしている.本年度はこれと並行して,プロセス観察記録と視覚化ツールの開発を実施した.その成果として,プロセス記録視覚化のための基礎研究の発表を行った.この発表では,会話記録についてネットワーク形式の提示と時間軸のアニメーション表示,について提案している.これに加えて,時間軸を平面上に表現する視覚化ツールおよびプログラミング記録への対応ツールも開発したので,次年度以降実証実験で評価,発表の予定である.プロセス記録収集と分析に関しては,21年度に開発したツールを利用して,数名程度の企業現場での記録,100名程度のプログラミング初学者のプロセスデータを収集し,現在ツールを利用した適用実験を実施中である.平成23年度は実証実験を中心に進めて,データベースの拡充をはかりつつ,分析方法の洗練と,概念化を進める予定である.
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