上田貞治郎とは、戦前日本を代表する写真材料商である。上田貞治郎は約1900点におよぶ風景古写真を蒐集し、それを集成してアルバム群『日本全国名所写真帖』(現在はアルバム20巻で伝存)を作成のための研究を行った。 本研究は、このアルバム群を題材として、写真史料学構築のためのデジタルデータのありようとはどのようなものであるかを検討したものである。データベースのプロトタイプを作成し、そこで用いたメタデータのありようを通じ、今後の可能性について検討を行った。さらに、メタとコンテンツの関係について検討を行い、あらたな写真のためのコンテンツに関する知識情報の必要性の可能性を述べ、新たな手法の必要性を提起した。同時に、その手法の萌芽について、着想を得るにいたった。
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