研究概要 |
本研究の目的は、特許及びトレードシークレットのライセンスにおける、時間制約下の諸条件の変化に対応した、戦略的な意思決定を支援する数理モデルの構築と、コンピュータシステム上への実装による実現である。ユビキタス産業においては、法律知識・ビジネス交渉経験に乏しい研究開発従事者であっても、知的財産権を容易に権利化し、かつ、そのライセンスにおける、戦略的な意思決定を支援するために、知財戦略のツールとして、ライセンスの意思決定を支援するツールを、提供する必要がある。 平成23年度は、同22年度に構築した、1対1交渉当事者間の非同期時間内におけるライセンス・プロセスの意思決定モデルを、複数当事者間に拡張し実装した。具体的には、 (1)既に研究代表者が提案している、「機会コスト(opportunity cost)」の概念をさらに発展させ、「限界利益とコスト」の概念に置き換え、同期時間内における、「時間制約条件下の戦略的意思決定モデル」を、2対2交渉当事者間の非同期時間内における、特許とトレードシークレットのライセンスに適応したモデルに拡張する作業を行った。さらに、 (2)仮想的なライセンス空間を構築して、複数交渉当事者間のライセンス・プロセスの意思決定モデルの妥当性を検証するために、適切な事象を選択する調査を行った。 成果は、国際学会ジャーナル査読付論文単著2件,著書3件,国際学会発表査読付単著2件・招待講演3件となっている。
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