本研究では、家族で群を形成し、母親だけでなく、父親、兄姉個体も子育てに参加する、小型霊長類のコモンマーモセットを対象に、子の新奇な餌に対する反応が、家族内の個体の存在によりどのように影響を受けるか、内分泌学的側面も同時に調べようと試みた。行動実験から、両親、特に母親は子の新奇餌への接近と摂食を促していることが示唆された。また、オキシトシという神経伝達物質を、マーモセットの尿から測定する方法を確立した。今後この方法を用いて、子が新奇餌に接する場面における家族の影響を、尿中オキシトシンの側面からも検討したい。
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