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2010 年度 実績報告書

視覚的注意の共有化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21700285
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

金野 武司  北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 研究員 (50537058)

キーワード認知科学 / 人工知能 / 認知ロボティクス / 共同注意 / 意図的主体性
研究概要

研究初年度に導入した高精度視覚システムを持ったロボットを使い,人とのインタラクション実験を予備的に実施した.この内容を2つの国際会議(ICDL2010, ECCS2010)と2つの国内会議(MYCOM2010,科学哲学会シンポジウムでの招待講演)で発表した.
[予備実験の実施]本研究での主要な問題の1つは,他者との視線を通じたコミュニケーションにおいて,反射的な視線運動と意図的な視線運動の本質的な違いを明らかにすることである.本研究では,感覚を入力,運動を出力とした1つのシステムとして人を見たときの内部メカニズムの特徴によってその違いを定義しようとしている.このとき,その内部メカニズムの違いが明確な行動の違いとして表出しないことが問題となる.わずかな行動の違いを人がどの程度察知するのかを予備的な実験によって調査したところ,実装されたメカニズムの違いによって意図性を感じるロボットに違いが生じることが確認された.またこの実験では,ロボットが自分の見ているところを見るかどうかに注目している場合と,ロボットが自分と異なるものを見るかどうかに注目している場合とで,意図性を感じる行動が真逆になることが明らかになった.この成果をICDL9およびMYCOM2010にて報告した.
[問題解決へのアプローチ]予備実験の結果は,人側のロボットへの注目点を統制する必要があることを示唆している.この統制にはゲームのような状況を設定することが考えられるが,そのためにはロボットのメカニズムの違いがインタラクションにおいてどのような機能を持つのかを明らかにする必要がある.この機能性について,主に哲学者のグループと積極的な意見交換を行ない,その成果をECCS2010,科学哲学会シンポジウムにて報告した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 心的状態のメカニズム的理解を得るための研究手法について2010

    • 著者名/発表者名
      金野武司, 橋本敬
    • 雑誌名

      MYCOM2010(第11回AI若手の集い),オンライン予稿集5-1

  • [雑誌論文] An Experiment with Human-robot Interaction to Study Intentional Agency in Joint Visual Attention2010

    • 著者名/発表者名
      Konno, T., Hashimoto, T.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 9th IEEE International Conferenee on Development and Learning, ICDL9

      巻: IEEE Catalog Number : CFP10294-DVD, No.101

    • 査読あり
  • [学会発表] Joint Attetion Realized in a Robot with Intentional Agency2010

    • 著者名/発表者名
      Nagatak, S., Shibata, M., Konno, T., Hashimoto, T., Hattori, H.
    • 学会等名
      European Conference on Complex Systems, ECCS'10
    • 発表場所
      ISCTE-Lisbon University, Portugal
    • 年月日
      20100913-20100917
  • [学会発表] ロボット制作現場での哲学とロボット工学の出会い-共同注意の発達過程をテーマに-2010

    • 著者名/発表者名
      金野武司, 柴田正良
    • 学会等名
      日本科学哲学会シンポジウム「ロボット工学と哲学-学際融合研究での科学哲学の役割」
    • 発表場所
      大阪市立大学杉本キャンパス(招待講演)
    • 年月日
      2010-11-28
  • [備考]

    • URL

      http://www.jaist.ac.jp/~t-konno

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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