目的: 衝動的行動の制御メカニズムについて、脳領域間の情報伝達を担う神経伝達物質の機能、およびこれを調節する遺伝子の塩基配列の個人差(遺伝子多型:gene polymorphism)に着目して、その個人差を解明することが目的である。これを達成すべく、平成22年度は、(1)遺伝子多型のデータベースを作成し、これに基づき、(2)衝動的行動の制御に関わる脳活動の基礎的な特性についてNIRSを用いた検討を開始した。 方法: (1) 遺伝子解析のサンプルデータを蓄積した。具体的には、200名のDNAサンプルを採取し、COMT (al/met)および5-HTTの遺伝子多型を解析し、データベース化した。 (2) 続いて、上記サンプルデータに基づき、以下の行動課題(Go/Nogo課題)を実施し、現在各群20名のデータを解析中である。 被験者内計画(1) 報酬条件(reward-only):正解で報酬、不正解であっても無罰、2) 罰条件(punishment-only):正解であっても無報酬、不正解で罰、3) 報酬・罰条件(reward-punishment) : Go反応(正解で報酬)、Nogo反応(不正解で罰)、その他は無報酬・無罰、4) 罰・報酬条件(punishment-reward):「報酬・罰条件」と逆のフィードバック条件、5) 統制条件(control):無報酬・無罰 指標:・行動指標:反応時間、誤答率(CER、OER)・中枢神経系指標:(oxy-Hb)
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