研究課題
2010年度は、研究計画にあるように、(1)時系列的な変化をも考慮した時空間データに対して、エシェロン解析によるホットスポット検出法の、より具体的なデータへの適用、(2)エシェロン解析によって得られたホットスポットの信頼性についての検証、の2つを柱に研究を進めてきた。ここで言うホットスポットとは、統計的に有意な集積地域を意味する。(1)について、解析対象のデータを時間と空間の広がりの中で観測される時空間データに拡張し、時系列的なホットスポットの推移を表現することを目標とする。通常、空間データは時系列的に観測される場合が多く、そのためホットスポットの時系列な変化を解析することは大変重要になる。本年度は、内閣府・国立精神・神経センター精神保健研究所から提供された日本の2次医療圏における自殺データに我々の提唱するホットスポット検出法を適用し、その有効性を示した。これらの成果を計算機統計学和文誌23号(1)で公表し、さらに国際学会COMPSTAT2010で成果発表を行った。その他、一般廃棄物最終処分場の立地候補のデータへ適用し、候補地の中からより適したエリアの選定を行った(日本計算機統計学会第24回シンポジウムにて成果発表)。各種の医学データに適用し、一定の成果を出した(算機統計学会第24回シンポジウム、研究会「大規模医学データの統計的解析とその応用」にて成果発表)。(2)について、エシェロン解析は、測定誤差など、データ値のわずかな差異により、その解析結果が変化する事が十分考えられる。そこで、各領域が持つ初期値を元に乱数を発生させ、その値からエシェロン解析を行う事により、エシェロン解析の結果の信頼度を考慮し、そこからホットスポットの信頼性について検討を行った。乱数によるわずかな変動でホットスポットとならなくなる領域の存在、逆に影響されないロバストなホットスポットの存在を立証した。これらの結果を日本計算機統計学会第24回大会、統計関連学会連合大会などで成果発表を行った。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)
第10回西東京統計研究会予稿集
ページ: 1-6
ページ: 7-14
計算機統計学
巻: 23巻(1) ページ: 25-43
COMPSTAT2010 Proceedings in Computational Statistics (Edited by Lechevallier, Y.and Saporta, G.)
ページ: 1159-1166
Proceedings of the 10th China-Japan symposium on statistics
ページ: 121-124
日本計算機統計学会 第24回大会論文集
ページ: 37-40
2010年度 統計関連学会連合大会講演報告集
ページ: 166-166
ページ: 313-313
日本計算機統計学会 第24回シンポジウム論文集
ページ: 79-82
ページ: 163-166