研究課題
2011年度は、本研究最終年度であるため、研究計画にあるように、昨年度までに確立してきた時系列空間データや大量データに対するホットスポット検出手法を、実際のデータに適用していくことに主眼においた。特に、内閣府・国立精神・神経センター精神保健研究所から提供された日本おける自殺データを用いた。簡単にデータについて説明すると、354に分けられた日本全国の二次医療圏(2008年3月時点)において、1973年から2007年までの20年間の年齢別の男女の自殺者のデータになっている。このような大多数な時系列空間データの場合、既存のホットスポット検出手法での適用は困難であり、適用できた場合でも時系列的なホットスポットの推移までを表現することは不可能であった。しかし、本研究によって確立してきたエシェロン解析を利用する事により、このような大容量かつ時系列な空間データに対するホットスボットの検出が可能である事を証明した。我々はこの自殺データに対し、ホットスポット検出を初めとして多角的な角度から解析をおこなった。その結果の一つを簡単に紹介すると、男性の自殺は主に東北北部と南九州にホットスポットが検出され、時系列的な変化では初期ではホットスポットが点々と少なかったものが、年を経ていくにつれて大きく広がっており、特に1998年以降が急激に増加していることが示された。この他にも、自殺者数の増加率に着目したホットスポット、領域×時系列×年齢の多次元的なホットスポット、他のホットスポット検出手法との比較、自殺者数の少ない領域の検出に関する検討を行った。また、検出されたホットスポットの妥当性を測るため、様々な土地の傾斜度や死別率、完全失業率などの要因をベースに空間自己回帰モデルなど、自殺の地域格差について様々な要因から検証を行った。
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統計数理
巻: 60巻(1)(in press)
平成23年度統計数理研究所公募型共同利用「大規模な疫学系データの統計解析」共同研究リポート・第11回西東京統計研究会予稿集
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平成23年度統計数理研究所公募型共同利用「大規模々疫学系データの統計解析」共同研究リポート・第11回西東京統計研究会予稿集
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数理解析研究所講究録1752「諸分野との協働による数理科学のフロンティア」
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